選手の負荷は何を測ればいい?世界の専門家による負荷モニタリング合意声明
毎日、選手に疲労度を記録させている。でも、そのデータを最後に見返したのはいつでしょうか。負荷のモニタリングは、集めた時点ではゴールではありません。2016年、世界のスポーツ科学の専門家がカタールのドーハに集まり、負荷モニタリングの「どう測るか」と「なぜ測るか」を整理しました。その合意声明がこの論文です。中心にあるのは、負荷を「選手がやったこと」と「体の反応」の2つに分けて見るという考え方です。
この研究は何を調べたか
これは実験ではなく、**国際的な合意声明(コンセンサス・ステートメント)**です。2016年2月にドーハで開かれた会議「Monitoring Athlete Training Loads – The Hows and the Whys」に世界の専門家が集まり、研究の知見と現場の実践を共有しました。
その内容を、コーチやスポーツ科学・医学のスタッフ向けに、1つの枠組みとしてまとめています。
分かったこと
声明の主なポイントは次のとおりです。
- 負荷は2つの面から捉える
- 外的負荷: 選手が「やったこと」。走った距離、挙げた重さ、練習時間など
- 内的負荷: 体が「どう反応したか」。主観的なきつさ、心拍など
- 3つの問いを1つの枠組みに: 負荷モニタリングとは何か・どう使われているか、なぜ大切か(目的と根拠)、今後どこへ向かうか、をまとめている
- データの取り方と読み方の整理が必要: 測定技術の進歩とともに研究が急増している分野で、測る方法だけでなく、データをどう解釈して使うかを整理することが求められている
現場でどう読むか
この声明から現場に持ち帰れるのは、次のような考え方です。
- いきなり全部測る必要はない。まずは「練習でやったこと」と「選手のきつさ」をセットで記録する
- 同じ方法で、続けて記録する。方法が変わると、変化を比べられなくなる
- 誰が、いつ見て、何を決めるのかを先に決めておく。データを集めること自体を目的にしない
なお、この論文は合意声明であり、特定の指標の優劣を実験で比べたものではありません。具体的な測定方法の詳細は原典で確認してください。
アスコンでの活用
アスコンアプリでは、選手が毎朝スマートフォンで睡眠・疲労・筋肉痛などを入力すると、選手自身の直近14日の平常値と比べて、絶好調・正常・注意・警戒の4段階で自動判定されます。これは、体の反応(内的負荷に近い情報)を毎日続けて集めるための仕組みです。
トレーニング記録(重量・回数など)と並べて確認できるので、「やったこと」と「体の反応」をセットで見ることができます。判定は声をかける選手を見つけるための目安で、最終的な判断は指導者が行います。
まとめ
- 負荷は「やったこと(外的負荷)」と「体の反応(内的負荷)」の両面から見る
- 何のために測り、誰がどう使うかを先に決める
- 同じ方法で続けて記録することが、変化を読み取る前提になる
この考え方を、毎日のコンディション管理に。
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