睡眠を増やしたらシュート成功率が上がった?大学バスケ選手の睡眠延長研究
シュートが入らない選手に、もっと打ち込ませる。その前に、昨日何時間眠ったかを確かめたことはあるでしょうか。スタンフォード大学の男子バスケットボール部で、睡眠を数週間延ばしたところ、睡眠は1晩あたり平均約111分増え、タイム走が速くなり、フリースローと3ポイントシュートの成功率がそれぞれ約9%上がりました。ただし、11名・1チームで、比べる対照群のない研究です。
この研究は何を調べたか
Mahらによる介入研究です。数週間にわたって睡眠時間を延ばすと、競技特有のパフォーマンス、反応時間、気分、日中の眠気がどう変わるかを調べました。
- 対象: スタンフォード大学男子バスケットボール部の健康な選手11名(平均19.4歳)
- 期間: 普段どおりの睡眠を続ける2〜4週間(基準期間)のあと、5〜7週間の睡眠延長期間
- 睡眠延長のやり方: できるだけ長く眠ることとし、毎晩ベッドに10時間以上いることを目標にした
- 評価: 練習のあとごとに、バスケットボール特有の測定(タイム走とシュートの成功率)を記録。あわせて反応時間、日中の眠気、気分を評価
分かったこと
- 夜間の実際の睡眠時間は、基準期間より平均110.9分(約111分)増えた
- タイム走は16.2秒から15.5秒に短縮した
- フリースローの成功率は9%、3ポイントシュートの成功率は9.2%向上した
- 反応時間と日中の眠気のスコアが改善した
- 気分のスコアが改善し、活力が上がり、疲労感が下がった
- 練習中・試合中の心身の調子の自己評価も向上した
著者らは、睡眠延長のあとにバスケットボール特有のパフォーマンスが改善したことから、十分な睡眠はピークパフォーマンスに達するうえで有益である可能性が高い、とまとめています。
現場でどう読むか
この研究で特に大切なのは、限界の部分です。
- 対象は1チーム11名と少なく、睡眠を延ばさないグループ(対照群)がありません
- 研究はシーズン中に行われており、練習を続けたことによる上達の影響と区別できません
- 女子選手、高校生、ほかの競技にそのまま当てはまるかは分かりません
つまり「睡眠を延ばせば成功率が9%上がる」と言い切れる研究ではありません。それでも、練習量を増やす前に、選手が十分に眠れているかを確かめる理由にはなります。毎晩10時間ベッドにいるのは、部活動の選手には現実的でないことも多いでしょう。まずは睡眠時間と眠気を毎日記録して、パフォーマンスの変化と照らし合わせるところから始められます。
アスコンでの活用
アスコンアプリでは、選手がスマホで毎朝コンディションを入力します(インストール不要)。睡眠や疲労などの項目は、その選手の直近28日の平常値からのズレで「絶好調・正常・注意・警戒」の4段階に自動で色分けされます。寝不足が続いている選手を、練習の前に見つけやすくなります。
まとめ
- 大学バスケ選手11名が睡眠を延ばすと、睡眠は1晩平均約111分増え、タイム走・シュート成功率・反応時間・気分が改善した
- 1チーム11名・対照群なしの研究で、シーズン中の上達の影響と区別できない
- 練習量を増やす前に、まず睡眠時間と眠気を毎日確かめる
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