反復スプリント練習で何が伸びる?サッカー選手17研究のメタ分析で分かった「伸びるもの・伸びないもの」
短いダッシュを、短い休息をはさんで何本も繰り返す。サッカーの練習でおなじみの反復スプリントトレーニング(RST)は、どんな能力を伸ばすのでしょうか。2026年のメタ分析によると、スプリント、方向転換、高強度ランニングは伸びた一方で、垂直跳びと有酸素能力には有意な効果がありませんでした。「鍛えた動きに近い能力が伸びる」という結果です。
この研究は何を調べたか
Chenらによるシステマティックレビューとマルチレベル・メタ分析です。サッカー選手を対象に、グラウンドで行うRSTと通常のトレーニングを比べた**ランダム化比較試験17件(386名)**をまとめました。参加者の平均年齢は17.6歳です。
同じ研究から複数の結果が出ることも考慮した統計モデルで、短距離スプリント、反復スプリント能力、方向転換能力、高強度ランニング、垂直跳び、有酸素能力への効果を調べています(効果量は Hedges' g)。
分かったこと
有意に向上したもの
- 短距離スプリント: g=-0.26(タイムが短縮)
- 反復スプリント能力: g=-0.37
- 方向転換能力: g=-0.70
- 高強度ランニング: g=0.97
有意な効果がなかったもの
- 垂直跳び: g=-0.07
- 有酸素能力: g=0.02
※タイムの指標は、短くなるほど良いためマイナスの値が改善を表します。
採用された研究の典型的なトレーニング内容
- 期間: 4〜12週間、週2〜3回
- 1回あたり: 2〜6セット × 4〜10本
- 距離: 1本10〜40m
- 休息: 本数の間20〜30秒、セットの間1〜5分
現場でどう読むか
- RSTは、スプリントやそれに近い能力を伸ばす練習として位置づけるのが妥当です。ジャンプ力や持久力の土台づくりを、RSTだけに任せることはできません
- 著者らは、横方向の切り返しや斜め方向の加速など、多方向の動きをRSTに組み込むことを提案しています。試合で使う動きに近づけるほど、効果がつながりやすいと考えられます
- 上の「典型的な内容」は、採用された研究で多かった範囲です。どの組み合わせが最適かは、まだ分かっていません
限界として、研究数が限られるため、性別、年齢、成熟度、競技レベル別の分析はできていません。対象はサッカー選手で、平均年齢は17.6歳です。
アスコンでの活用
アスコンアプリでは、スプリントタイムや方向転換テストなどの体力測定の記録を残し、前回比やチーム内ランキングで確認できます。RSTを取り入れた期間の前後で、何が伸びて何が変わらなかったかを、選手ごとに確かめられます。
本数の多いRSTの期間は、毎朝のコンディション入力で、疲労や筋肉痛が選手自身の平常値からどれだけズレているかもあわせて見ておくと、量の調整に役立ちます。
まとめ
- RSTで、短距離スプリント・反復スプリント・方向転換・高強度ランニングが向上した
- 垂直跳びと有酸素能力には有意な効果がなかった(鍛えた動きに近い能力が伸びる)
- 典型的には4〜12週間・週2〜3回。最適な量はまだ分かっていない
この考え方を、毎日のコンディション管理に。
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