ジャンプで疲労を見るなら「最高値」より「平均値」?CMJの151論文メタ分析
練習前に垂直跳びを何回か跳ばせて、選手の疲れ具合を確かめる。そのとき、記録するのは「いちばん高かった1回」でしょうか、それとも「平均」でしょうか。151本の論文をまとめた2017年のメタ分析によると、疲労や回復の変化をとらえるには、最高値より平均値のほうが感度が高いという結果でした。
この研究は何を調べたか
Claudinoらによるシステマティックレビューとメタ分析です。カウンタームーブメントジャンプ(CMJ、反動をつけた垂直跳び)を、選手の神経筋の状態、つまり疲労や超回復(トレーニング後に以前より高い状態に戻ること)のモニタリングに使った研究を集めました。
跳躍高のほか、パワー、速度、力などの指標について、複数回跳んだときの「最高値」と「平均値」のどちらが変化をよくとらえるかを比べています。
分かったこと
- 151本の論文、531の効果量が分析の対象になりました
- これまでの研究の85.4%は最高値を使っていて、平均値を使っていたのは13.2%でした
- それにもかかわらず、疲労と超回復の検出には、跳躍高の平均値のほうが最高値より感度が高いことが分かりました
- ピークパワー、平均パワー、ピーク速度、ピーク力などの指標も、超回復の追跡に有用でした
多くの現場や研究で当たり前に使われてきた「ベスト記録」は、日々の小さな変化を見るには最適ではない可能性がある、ということです。
現場でどう読むか
- 毎回、複数回跳ばせて平均を記録すると、その日の状態の変化を見逃しにくくなります
- 最高値は「その日に出せる最大」を表す一方で、たまたま良かった1回に引っぱられます。平均値のほうが、全体の調子を反映しやすいと考えられます
- 比べる意味を持たせるには、ウォームアップ、時間帯、跳び方の指示をそろえることが前提です
限界として、もとの研究ごとに測定機器やプロトコル、対象者がばらばらです。何回跳ばせて平均をとるのがよいかといった具体的な手順までは、この研究からは決められません。
アスコンでの活用
アスコンアプリでは、ジャンプなどの体力測定の記録を選手ごとに残し、前回比やチーム内での位置を確認できます。同じ条件で測った記録を続けて並べることで、変化に気づきやすくなります。
あわせて、毎朝のコンディション入力(睡眠・疲労・筋肉痛など)は、選手自身の直近14日の平常値と比べて4段階で判定されます。ジャンプの記録と体感の両方から、選手の状態を確かめることができます。
まとめ
- CMJで疲労や回復を見るなら、跳躍高は最高値より平均値のほうが感度が高い
- これまでの研究の85.4%は最高値を使っていた
- 測定条件をそろえることが前提。具体的な回数などはこの研究からは決められない
この考え方を、毎日のコンディション管理に。
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